パートナー。 第3話
彩羽の部屋で彩羽の日記を渡され、一人にしてもらった。
日記は亡くなる数日前のを読んだ。
そこで私は自分の知らない彩羽を目にすることになる。
―◯月◯日(月)
今日もいつも通り、同じクラスのあの子がいじめられてて。
私はただの傍観者…という立ち位置のはずだった。
でも今日は違ったみたい。
あの子は登校拒否をしたらしい。
そして休み時間リーダー軍Rグループに声を掛けられて
「次はいっちゃん(彩羽)が人気者だね!」
って笑顔で告げられたかと思うと、机にゴミを置いて行った。
私は、あの子がいない間のターゲットってわけみたいだ。
―◯月◯日(火)
朝教室に入ったらRグループの味方の男子が
「うわっ、誰かさんが来たから空気汚れたんですけどーww」
って私に聞こえる声で言ってきた。
絶対、アイツには負けたくない。Rグループにも。
―◯月◯日(水)
まだ一緒にいてくれる上辺にしか見えない友達がいるのは救いだ。
数人で休み時間喋っていると私めがけてけしごむが飛んできた。
四方八方からこそこそと。少しずつ。
周りは無視をするしそいつらは楽しそうだし。
早くあの子がくればいいのになんて思ってしまった。
このあとも同じような…彩羽の苦痛の日々が綴られた日記は
数日間は続いていた。数日間は。
でもその数日後に…彩羽は自殺したんだ。
そして彩羽が自殺する前日の日記。
―◯月◯日(日)
日曜日かぁ。やっとかって感じ。
あの子が来なくなってからの学校生活は苦しすぎて長かった。
何度も死にたいって思った。何度も悔しくて泣いた。
でももう…全部終わるんだ。
月曜日の方がいいって考えたから、明日が最期だけどさ。
だって週の最初にさ、不幸事耳に入れさせたい訳。
あ、でもアイツ等にとってはどうでもいいことか。
まだ…したいこといっぱいあるんだけどなぁ。
本当はもっと生きたいのになぁ。
ふじのん…会いたいなぁっ…。
ついったー楽しいのに。みんながいるから頑張れるのに。
頑張って来れたのに。
ごめんね。もう頑張れないや。
ばいばい
泣くしかなかった。
そして、日記のいたるところが滲んでいた。
彩羽だって泣いたに決まってる。
私は結局何も気づいてあげられてなかったんだ。
彩羽の何が分かってた?
つもりになって、自己満足してただけじゃんか。
ごめん、ごめん、ごめんね彩羽…!
何度謝ってももう会えないのに。話せないのに。
自分が、気付いてあげられなかったのが悪いんだ。
私はその場にしばらくへたり込んでいた…